「チャイナタウン」
DVDにて鑑賞。
1930年代ロサンゼルスが舞台。戦前であり、さまざな面での社会的バリアが垣間見えるのが興味深かった。あるいは社会的地位や役割を示す符牒が固定的と云うべきか。調度なんかも現代からみたら贅沢と云えそうなものが普通に出てくる。
一定の地位(といっても市民階級という程の意味だが)以上のものは、男はソフト帽、女も必ず帽子を被り、あくまで男は男らしく、女は女らしいファッション。ユニセックスやジーパンを穿く女など見当たらない。私立探偵の乗る車のダッシュボードは木目調で家具のよう。女中や執事はほぼ全員東洋系。警部補に昇進したことを大事にしている刑事は中南米系の顔立ち。とにかく人種的にも性役割的にも安定しているのだ。これは現代と相当に異なり、面白く思った。
当時売り出し中のジャック・ニコルソンが主演だが、脇役のジョン・ヒュ−ストンの ”善人顔での欲深い爺ぶり” が光っている。映画全体はノスタルジーを感じさせ観ている間はプラスの感興があるが、結末が悲惨なだけに観終わったあとは虚無的と云ってもいい程の気分が残る。音楽はノスタルジックな雰囲気を大いに演出しており素晴らしい。
市の議事堂にはルーズベルト大統領の写真が掲げてある。その表情も、それを掲げている議事堂もなにか堂々とした印象を与える。これもまた戦前のアメリカの一端、なのであろう。
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